住むを考える
倉本康子さん
収納&インテリアのセンスが注目され、インテリアモデルとしても活躍中の倉本さんとLA VING 所沢店長・高橋と理想の住まいについて語ってもらいました。
倉本さん流のインテリアの楽しみ方とは?
倉本さん●私は服が大好きですが、実は日によって全く異なったテイストのものをまとっています。そのほうが気分も上がりますし、なにより飽きがきません。今の家には10年住んでいますが、家だって同じことだと思うんです。家という器自体はなかなか変えられるものではありませんが、インテリアも洋服を着替えるような感覚で、どんどんチェンジして楽しんでいます。
高橋●模様替えすると心もすっきりしますよね。でも、大掛かりな模様替えもなかなか大変ですよね。
倉本さん●部屋全部ということでなくても、例えばディスプレーコーナーを設けて、お花を飾ってみたりするだけでもいいと思うんです。ちょっとした工夫で、見慣れた空間にも変化を出せますよ。
高橋●実は私、トイレにそういうコーナーを設けています。今は、砂の入った瓶とか、流木をおいて海風に。大きな声では言いづらいのですが、この海風インテリアのトイレが大好きです。倉本さんは最近どんなインテリアテイストがお気に入りなんですか?
倉本さん●最近のお気に入りは「シャビーシック」ですね。使い込まれた趣のあるキズや、ペンキのはがれた感じが特徴的な家具等と、上品な花柄やフリルのファブリックをミックスさせたスタイルです。「大人かわいい」とでもいうのでしょうか。世間的には、「男前インテリア」なども話題を集めているようですが、インテリアの好みは人それぞれ。快適な空間を手に入れるためには「自分
が本当にしっくりくるインテリアスタイルは何なのか」を知ることも大事ですよね。そういう意味でもいろいろなテイストを一か所で見られるLA VINGショールームはうってつけの場所ですね。
高橋●倉本さんにそういっていただけると、本当にうれしいです!
倉本さん●でも、いくらインテリアにこだわっても、床や壁といったハード自体が上質なものでなければ、ソフトでいくら着飾っても、完成度の高いものにはなりませんよね。先ほどショールームでヘリンボーン張りの無垢材の上を何気なく歩いていたのですが、見た目も素敵だし、肌に触れたときの感覚も上質なものでした。ハードって大事なんだなって再認識しました。
部屋をきれいに見せる収納のコツとは?
倉本さん●お部屋をきれいにみせるには、飾るものとしまうもののバランスが大切です。飾りすぎると、雰囲気も重くなりますし、掃除も大変になってしまいます。
高橋●確かにそうですね。かといって全部収納に押し込んでしまって何もないのは、インテリアとして味気ないですものね。
倉本さん●私の場合、例えばキッチンでは、フライ返しなどの日常づかいのものは、すぐ使えるように吊るして見せるように収納にしています。天板が汚れても、動かすくことなくさっと拭けますね。ただし、人目に触れるものはデザインにもこだわることが鉄則。見た目にも、機能的にも優れていることが私の収納のルールです。
高橋●先ほどジャパニーズとモダンのモデルをご覧いただいたとき、キッチン本体には引き出しの隠す収納を設けて、背面収納はまさに〝魅せる〞収納になっていましたよね。隠す収納の量をしっかりと確保したうえで、見せる楽しみ、飾る楽しみも味わえるプランです。リフォームや新築を考える際には、単に「収納」というくくりではなく、見せる収納と隠す収納と分けてプラニングしてみるものいいかもしれませんね
簡単に収納量を増やす術とは?
倉本さん●しっかりと収納が確保されたおうちに住んでらっしゃる方はいいと思うのですが、例えば、思い出の写真や物などは、どんどんたまって、しまう所すらなくなってしまいますから、データ化するなどして処分しないと大変なことになりますよね。
高橋●そうですね。わかります。
倉本さん●思い出の収納コーナーはここからここまでと自分で明確に線引きして収納量を管理することも必要だと思います。でもどうしても、新たに収納量を確保したいとなっても、家や建具を改修することは簡単にはできません。実は、インテリアを盛り立てながら、新たに収納が確保できるおすすめの簡単テクニックがあります。
高橋●是非とも知りたいです。
倉本さん●今のテイストにあうカゴを3つ揃えて、カテゴリーごとに収納する。以上です! アルミ系、ウッド系などカゴの種類もいろいろありますが、バラバラでも、1つでも2つでもいけません。3つだとリズム感が生まれ、存在感もでてきます。
高橋●それなら、だれでも簡単に取り入れられますね。最近では、高さ調節できる可動式の棚板だけを数枚設置して、そのときの入れるものに応じて箱やカゴを買い足して各々収納するという方も実は増えているんです。特に収納は、今だけを考えるだけではなく、将来のことも見据えたプランニングも重要ですよね。
倉本さん●夢は膨らむいっぽうですが、普段友人を招くことが多いので、一緒に料理ができて会話も楽しめるキッチンがあったらいいなと思います。見させていただいたオープンキッチンは、イメージがわいて本当に参考になりました。
高橋●最近では倉本さんのように、近くで会話をしながら料理をしたいというお客さまが増えていて、キッチンとダイニングテーブルが一列に並んだ配置を好む方も多いですね。キッチンはフルオーダーもできて、色や材質はもちろん形も変えられるんですよ。
倉本さん●キッチンひとつとっても、数え切れないほどの選択肢があるんですね。だからこそ、リフォームや新築を考えるときには、その家でどう過ごしたいかを明確にする必要があるんだなと実感しました。私の場合は、テーマをつけるとしたら「人が集う家」といったところでしょうか。
高橋●おっしゃる通りです。生活スタイルやこだわりによって、仕様は全く異なってきます。「人が集う家」といっても、それがキッチンやリビングに限ったことではなく、間取り全体など様々なところに関わってきますからね。オープンキッチン以外でこだわりたいなと思ったものはありましたか?
倉本さん●始めにもお話ししたのですが、簡単に変えられないハードの部分、例えば木材や壁、床は絶対に上質な「本物」にこだわりたいですね。シンプルでしっかりとした土台を選んでおけば、将来的に模様替えをした時もどんなインテリアでもしっくりくるものになると思うんです。
高橋●それはうれしい限りです。こちらのショールームでは、各モデルの床には無垢材を使用しています。ジャパニーズモデルには、壁一面に大谷石を設けたり「本物の良さ」を体感いただけます。ハード部分にこだわるのであれば、やはり地震対策も気になりますよね?
倉本さん●もちろんです。素敵なインテリアも普段の暮らしも、まずは安心・安全があってこそだというは十分に理解しています。
高橋●今、アルネットホームの住まいには自動車のサスペンションと同じ構造の制振装置を標準の仕様にしています。
倉本さん●それは安心ですね! どんなに気に入った家でも長く安心して暮らせないと困ります!
高橋●私も本当にそうだと思います。家づくりにおいては、本当に重要なこと、必ず押さえたいことの優先順位をはっきりさせておくことも重要です。
倉本さん●収納もそうですが、家全体を考えるときも、機能面とデザイン面のバランスを考えることが大切なんですね。今日は、理想の住まい像がイメージできただけでなく、家づくりの心得についての勉強にもなりました!